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■イーファスピッチは"使える"のか"使えない"のか

どこかで誰かが投げる度になにかと話題になる超スローボール、通称"イーファスピッチ"。
このボールを投げて"いい"か"悪い"かはルールブックに任せるとして、ここでは変化球の研究サイトらしく変化球として"使える"のか"使えない"のかを検証していきたいと思います。
ちなみに英語で"Eephus pitch"という綴りですが、この"Eephus"という単語は造語で、適当にアルファベットを並べただけで意味がないのです。
つまり、"Eephus pitch"とは"たいした意味のない投球"ということになります。
では、ほんとうに"たいした意味のない投球"なのかを検証していきたいと思います。

▽ イーファスピッチの性質とリスク ▽

イーファスピッチは言い換えれば超スローボールですが、そこにはある程度の幅があります。
リリースの際に抜くことで勢いを逃がす超スローーカーブや、リリースに際に腕の振りを急停止させて超山なりのボールを投げるなど。
意外と勢いを殺すことやコントロールすることが難しく、かなりの練習が必要です。
基本的に、山なりになればなるほど審判にストライクを取ってもらえることがなくなり、打者が手を出しづらい軌道になります。
ストライクを狙おうとすると、打者に打たれるリスクを大きく背負うことになります。
また、盗塁を許す危険も大きいので、ランナーの有無にも注意。

▽ イーファスピッチで狙える効果とは ▽

イーファスピッチで狙える効果といえば、とにもかくにもまずは意表を付けることでしょう。
タイミングを外された打者はバットを振るのを諦めるかもしれません。
これはチェンジオブペースの使い方。
ストライクを取れる軌道であれば見逃しのストライクを取れるかもしれませんが、2ストライクなどのバッティングカウントで狙うのは得策ではないでしょう。

2つ目は、様々なことをリセットすること。
あまりのインパクトの為に、ひとつ区切りを入れた形になります。
それは配球のリセットだったり、打者の目線のリセットであったり、あるいは投手本人の気持ちのリセットであったり。
ただ、投げれば投げるほどインパクトは薄れていくので投げ過ぎには注意が必要でしょう。

そして3つ目、超スローボールもあるぞと打者に思わせること。
イーファスピッチは超スローボールなので、多少タイミングを外されてもボールが来るまでにある程度体勢を整え直す時間があります。
なので打者にとってはバットに当てること自体は難しくない球だと言えます。
そして更に、超スローボールが来ることを意識していればタイミングを外す効果もなくなり、まるでトスバッティングのように打ち返すことができるでしょう。
この意識すれば簡単に打ち返せるということが打者心理に揺さぶりをかけるのです。
次に投げてきたら打ち返してやろう、という気にさせられたら投手としてはしめたものです。
打者の頭の中にイーファスピッチの残像があると、通常のストレートに振り遅れるかもしれません。
あるいは目線が上がり過ぎて、闇雲に高めの球に手を出したり、低めのストライクゾーンに手が出なくなったりすることもあるかもしれません。
当然、狙っている打者にイーファスピッチをすれば悲惨なことになりかねないのでそこにはやはり注意しましょう。

▽ 結局イーファスピッチはどうなのか ▽

イーファスピッチについて検証してきましたが、皆さんどうでしたでしょうか?
個人的には投げるなら先発投手、それも早い回で投げてこそかなという気がします。
しかし、考え方は人それぞれ。
あなたが考え、あなたがイーファスピッチを使う価値があると判断したなら、どんどん試合で投げていきましょう。
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